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有馬温泉観光総合案内所

歴史的好奇心のある中国のお客さまに人気があるのが、有馬温泉観光総合案内所内に掲げてある額です。

2018年11月に台湾の中正記念堂から譲り受けました。複製ですが、蒋介石ゆかりの物なのです。現在、中国人は個人旅行で台湾に行けません。ですので、日本を旅する中国人にとって有馬で見ることができるのは、お楽しみの一つです。
 今から約90年前の1927年10月3日、蒋介石は神戸から車を6台連ねて有馬にやって来ました。軍関係者や警察、新聞記者が集まり、大変な騒ぎだったそうです。目的は、有馬ホテルに滞在していた宋(そう)美(び)鈴(れい)のお母さんに結婚を許してもらうことでした。
 ホテルに着くなり「誠に些(さ)少(しょう)だが…」と300円を茶代として女(お)将(かみ)に差し出したそうです。当時の宿泊料が3円50銭ですので、300万円ほどのチップを渡したということになります。
 その結果、宋美齢との結婚を許されて蒋介石は大変喜んだそうです。そして「女将! 紙を持っておいで」と5枚の書を書き残しました。それが「革命」「千客万来」「寧(ねい)静(せい)致(ち)遠(えん)」「横(おう)掃(そう)千(せん)軍(ぐん)」「平等」です。
 そのうち3枚は失われ、「横掃千軍」は30年前に中正記念堂に寄贈しました。観光総合案内所にあるのは、その複製ということです。現在は極楽寺が所蔵している「平等」と合わせて見ることができます。
 蒋介石と宋美齢が婚約する舞台となった当時の有馬ホテルは、観光案内所の左手の坂を上った先にある「湯屋の宿『康貴』」の入り口付近にありました。残念ながら、昭和13年の阪神大水害でホテルの後ろの竹やぶが崩れ閉鎖になりました。
 さらに坂を上っていくと「雪国神社」があります。ここは縁結びの神様として最近、特に人気です。境内には外国人旅行者も多数訪れるので、多言語化のおみくじが販売されています。
 有馬は国際的なロマンスの温泉地なのです。

施設情報

住所
〒651‐1401
神戸市北区有馬町790番地3
電話番号
078-904-0709