日本のからくり
日本では古くから、様々な物を動かす仕組みがあり、江戸時代には小さな箱や人形、 大きなものは家具やお屋敷にまで施され、それらは「からくり」という呼び 名がついています。多くのからくりは糸操りやゼンマイ、カムといったシンプルな仕掛けでつくられています。当館 で紹介している「茶運び人形」は江戸時代に盛んに作られたぜんまい仕掛けの人形で、手に持った 盆の上の茶托に茶碗を乗せると両足を動かして、客の前にやってきます。客が茶碗を手に取ると 止まり、飲み終わった茶碗を再びのせると動き出すからくり人形です。また、明治から昭和にかけて神 戸でつくられた「神戸人形」は、目玉が飛び出したり、首をふったりするひょうきんなその動きは外国人旅行客たちにも 人気を博しました。日本の伝統芸能「人形浄瑠璃」は兵庫県淡路島の「淡路」や徳島県の「阿波」が有名ですが、実はその元となったのは西宮市の西宮神社から生まれたえびす信仰を広めるための人形操り「えびすかき」であるとされています。